2026年6月27日土曜日
孫尚香の華やかな庭園
赤い灯籠がゆれる庭園の奥から、小さな女の子がこちらへ手を差し出している。
その姿は、三国志に登場する孫尚香を思わせる。
華やかな衣装に身を包み、髪には花と金の飾りをまとい、まるで呉の宮殿に咲いた一輪の花のようだった。
けれど、その可愛らしい笑顔の奥には、ただのお姫さまでは終わらない強さがある。
孫尚香は、孫権の妹として知られる女性であり、物語の中では美しさだけでなく、武家に生まれた誇りを感じさせる存在でもある。
このイラストの孫尚香は、ちびっ子の姿で描かれている。
大きな瞳でこちらを見つめ、明るく「いらっしゃいませ」と迎えてくれるように手を伸ばしている。
その仕草はとても愛らしい。
でも、腰の装飾や衣装の細かな意匠を見ると、どこか武家の姫らしい気品も残っている。
背景には、赤い柱、金色の飾り、遠くに見える宮殿、花びらの舞う庭園が広がっている。
まるでここは、戦の時代の中にほんの少しだけ現れた、穏やかな歓迎の場所のようだ。
三国志と聞くと、どうしても戦や策略、英雄たちの争いを思い浮かべる。
けれど、その時代にも、きっと華やかな庭があり、誰かを迎える笑顔があり、静かな時間があったのかもしれない。
この孫尚香は、強さを前に出しすぎない。
可愛らしく、明るく、見る人を自然に物語の中へ招いてくれる。
その小さな手の先には、呉の国の華やかさと、三国志の世界へ入っていく入口があるように感じる。
歴史の人物を可愛い姿で描くと、少し遠かった物語が急に近くなる。
孫尚香という名前も、ただ教科書や物語の中にあるものではなく、こちらへ笑顔で手を伸ばしてくれるキャラクターとして心に残る。
花びらが舞う庭園で、小さな孫尚香が今日も誰かを待っている。
「いらっしゃいませ」
そのひと言が聞こえてきそうな、華やかでやさしい三国志の一場面だった。
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