雲の上に浮かぶ、黄金の神殿。
大きな時計の輪が静かに回るその場所で、小さなクロノスは今日も誰かを待っていました。
白銀の髪を揺らしながら、手のひらをこちらへ向けます。
「いらっしゃいませ」
声は聞こえないのに、不思議とそう言われたような気がしました。
そばには、少しずつ砂が落ちていく大きな砂時計。
クロノスが持つ鎌には小さな時計が飾られ、今も休むことなく針を進めています。
時間は、誰に対しても同じ速さで流れているように見えます。
けれど楽しい時間は短く、寂しい時間は長く感じるものです。
もしかすると時間とは、時計の針だけで決まるものではなく、心の中で形を変えるものなのかもしれません。
小さなクロノスは何も語らず、やさしい笑顔のまま立っています。
急いでいる人にも、立ち止まっている人にも、同じように手を差し出しながら。
ここへ来た人が過ごしてきた時間も、これから始まる時間も、すべて大切なものなのでしょう。
黄金の光が神殿を包み、砂時計の砂が静かに落ちていきます。
そしてクロノスは、新しい一瞬を迎えるように、今日も笑顔でこちらを待っているのです。
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