2026年7月16日木曜日

時を迎える小さな神クロノス

ちびっこクロノス

雲の上に浮かぶ、黄金の神殿。

大きな時計の輪が静かに回るその場所で、小さなクロノスは今日も誰かを待っていました。

白銀の髪を揺らしながら、手のひらをこちらへ向けます。

「いらっしゃいませ」

声は聞こえないのに、不思議とそう言われたような気がしました。

そばには、少しずつ砂が落ちていく大きな砂時計。

クロノスが持つ鎌には小さな時計が飾られ、今も休むことなく針を進めています。

時間は、誰に対しても同じ速さで流れているように見えます。

けれど楽しい時間は短く、寂しい時間は長く感じるものです。

もしかすると時間とは、時計の針だけで決まるものではなく、心の中で形を変えるものなのかもしれません。

小さなクロノスは何も語らず、やさしい笑顔のまま立っています。

急いでいる人にも、立ち止まっている人にも、同じように手を差し出しながら。

ここへ来た人が過ごしてきた時間も、これから始まる時間も、すべて大切なものなのでしょう。

黄金の光が神殿を包み、砂時計の砂が静かに落ちていきます。

そしてクロノスは、新しい一瞬を迎えるように、今日も笑顔でこちらを待っているのです。


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