2026年7月12日日曜日
海の宮殿で待つ小さなポセイドン
青く透き通る海の奥に、光に包まれた宮殿がありました。
白い柱の間を小さな魚たちが泳ぎ、床を流れる水は宝石のようにきらきらと輝いています。
その宮殿の入り口に立っていたのは、海の神ポセイドンを思わせる、小さな男の子でした。
青い髪には星や貝殻の飾りが揺れ、手には金色の三叉槍が握られています。
けれど、その表情に海の神らしい怖さはありません。
大きな青い瞳を輝かせながら、こちらへ向かって小さな手を差し出していました。
「いらっしゃいませ」
そんな声が、波の音に混ざって聞こえてきそうです。
海の宮殿を訪れる者は、最初は誰でも少しだけ緊張します。
見たことのない魚、光を宿した貝殻、どこまでも続いているような青い景色。
しかし、小さなポセイドンの笑顔を見た瞬間、不思議と心が落ち着いていきます。
彼が差し出しているのは、ただの手ではありません。
まだ知らない海の世界へ進むための、小さな招待状なのかもしれません。
三叉槍を持つ姿は立派でも、今日は海を荒らす神ではなく、宮殿を案内してくれる優しい主人です。
きらめく水の道を進んだ先には、どのような景色が待っているのでしょうか。
大きな真珠が眠る部屋でしょうか。
それとも、魚たちが集まる海の広場でしょうか。
小さなポセイドンは答えを教えず、楽しそうに笑っています。
海の物語は、彼の手を取った瞬間から始まるのです。
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