緑の葉と白い花に囲まれた場所で、かわいらしい女神が両手を広げていました。
その女神の名は、ガイア。
大地を生み、山や川、草木や花を見守っている、ギリシャ神話の女神です。
けれど、この日のガイアは遠い神話の中にいる厳かな女神ではありません。
花の冠を頭にのせ、白い衣を風になびかせながら、訪れた人を笑顔で迎えていました。
「いらっしゃいませ」
そんな声が聞こえてきそうなほど、差し出された小さな手はあたたかく見えます。
ガイアの後ろには、どこまでも続く緑の大地が広がっていました。
山の間を川が流れ、崖からは白い滝が落ち、色とりどりの花が風に揺れています。
空には青い光が満ち、その向こうには大きな地球のような星が浮かんでいました。
まるで、この世界にあるすべての命が、ガイアの笑顔から生まれているようです。
ガイアの衣には、細い蔦や小さな花が巻きついています。
それは飾りではなく、大地と女神が今もつながっている証なのかもしれません。
ガイアが一歩進むたびに、足元の草がやわらかく揺れました。
小さな花びらが舞い、木々の葉が光を受けて輝きます。
訪れた人が疲れていても、悲しい気持ちを抱えていても、ガイアは何も問いません。
ただ笑顔で手を差し出し、緑の世界へ迎え入れてくれます。
ここでは、急ぐ必要もありません。
風の音を聞き、花の香りを感じながら、ゆっくりと歩けばよいのです。
大地はいつでも静かにそこにあり、立ち止まった人を支えてくれます。
かわいらしい姿をしたガイアの笑顔には、そんな大地のやさしさが込められているようでした。
今日も女神は、花と緑に囲まれた場所で両手を広げています。
この世界を訪れる、すべての人を迎えるために。
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